【ラジオ100周年】東京に現存するラジオ塔を訪ねる
ラジオが日本に普及し始めた戦前から各地の公園など公共の場所にラジオ塔なるものがありました。現存するラジオ塔のうち都内にあるものを訪ねてみました。
聖蹟公園にある都内唯一のラジオ塔
まだラジオが一般に普及してなかった時代にだれでもラジオ放送を聴取できるように作られたのがラジオ塔です。街頭ラジオと言ってもいいでしょう。戦前から戦中にかけて作られたものが多く、そのほとんどは姿を消していますが現存しているラジオ塔も存在します。東京都内には一か所だけラジオ塔が現存しています。
ラジオ塔がある場所は、品川区にある聖蹟公園。旧東海道の品川宿本陣跡にある公園です。
ちょうど撮影に訪れたときは、公園の横にある建物が工事をしていてその防護壁が組まれていました。このときラジオ塔はこの防護壁の中にありました。
防護壁に近づいてみると園内にあるラジオ塔を見ることができました。一見灯篭のような形をしています。実際園内の案内板にもこれをラジオ塔ではなく石灯篭として紹介されています。そのためこれをラジオ塔と認識している方は少ないかもしれません。
防護壁越しにラジオ塔を全体を眺めてみます。ここからは特にラジオ本体を収納する場所などはわかりません。灯の横に書かれてあるのは「寄贈 日の丸奉仕団」の文字。戦中の頃に建てられたものでしょうか。
戦中までは都内にもかなりの数のラジオ塔が存在していたでしょうが、現存するのはこの一塔のみらしいです。この公園に集まってこのラジオ塔から流れる戦況など聞き、最後は玉音放送も流されたのかもしれません。
都内はここだけですが、全国にはまだ現存するラジオ塔が30塔以上あります。ラジオ放送100周年のいま、ラジオの歴史の一コマとしてラジオ塔にも注目してみたいです。
聖蹟公園
東京都品川区北品川2-7-21
京急線 新馬場駅 徒歩5分
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