フィルムカメラ

フイルムカメラで撮る時の大事なポイント

デジタルカメラに慣れている、またはデジカメしか使ったことがないユーザーにとってフイルムカメラで撮影するということはまったく別次元のカメラを使うようなもの。フイルムカメラを使うときに把握しておきたいポイントをまとめてみました。

フイルムカメラはイメージを高めてから撮る

フイルムカメラ撮影

デジタルカメラは撮影してすぐに液晶モニターで画像を確認できます。撮影してすぐにモニターを見る習慣がついている方も少なくないでしょう。撮った画像がイメージと違っていたり失敗していたらもう一度撮影すればよく、とりあえずテスト撮影も兼ねて被写体に向けてシャッターを切るところからスタートさせることも少なくありません。

フイルムカメラを使って撮影する場合、このデジカメを使ったような「とりあえず撮影」はできなくなります。これは一度フイルムカメラでの撮影を体験してみるとよくわかるはずです。

フイルムの現像が終わるまできれいに撮れているのか失敗したのかがわからない、これは最初はもどかしさも感じるかもしれません。しかし、ここがフイルムカメラを使うときの大きなポイント。

現像されるまで結果がわからないということは、撮影するときに最大限の準備をして被写体にレンズを向けないといけないということです。ここでの準備とは、撮りたい画像を撮るためになにをしないといけないかということ。その準備をするためには、頭のなかで画像のイメージを構築していきます。

ここでのイメージとは例えば、立ち位置はどこがいいのか、露出はどう設定するか、光の取り入れ方は、構図はこれでいいのか、などなど挙げればキリがないくらいあります。ただこの思考を重ねることがフイルムカメラでは必要です。いいかえればイメージを高めていくように一枚の写真を撮るときに必要なことをすべて想定してそしてシャッターを切るというプロセスが要るということです。

アナログの要素を持つものにはすべて当てはまるかも知れませんが、最後まで結果が見えないので一つずつの工程をきちんとこなすことが大事ということが改めて感じるようになるかもしれません。デジカメはすぐに結果が見えて、とりあえず撮った結果から修正を施して撮りたい画像に近づけていけますが、フイルムカメラではそれができないということです。

一枚の写真を撮るのに様々なイメージを構築するという手順で進めていくと、被写体との対峙する時間もこれまでより深く長くなるはず。フイルムカメラを使う面白さもそんなところにも含まれているのかもしれません。

モノクロフイルムでは色ではなく光を読む

フイルムカメラ撮影

フイルムカメラ撮影

モノクロフイルムを使って撮影するときは、カラーで撮影したときとはまったく違う視点で被写体をとらえる必要があります。

上の写真二枚を比較して見ると、なにが見えてくるでしょうか。これまで当たり前に見ていた色の情報ですが、モノクロ写真ではそれ色としては写らないということがこの比較した写真から見えてきます。

バナナは黄色い色とわかっているので、モノクロ写真からも想像はできますがこれが見知らぬフルーツがモノクロで写されていたらどうでしょうか。

このようにモノクロで撮影するときには、色について着眼していた意識を別のところにシフトチェンジさせる必要があります。

それではモノクロで撮影するときは特になにについて意識を向けないといけないのでしょうか。

フイルムカメラ撮影

それは光です。被写体への光の当たり方、レンズに対しての光が入ってくる方向、影の出かたなど光の要素について意識させます。

上の空を写した写真で見ると光がどのようにモノクロ写真で作用しているかがわかりやすく見えてきます。光が当たっている部分は明るく、光が届かない厚い雲の部分は暗く黒くなります。これがカラーであれば夕日のオレンジ色など色味に意識がいってしまうのですが、モノクロになると光の部分がクローズアップされて見えてきます。

これはほんのヒントにしか過ぎませんが、モノクロフイルムを使って撮影するときには、光を追ってみることが大事です。

モノクロ写真はデジカメでも設定を変えれば撮影できるので、まずはデジタルで試してみるのもいい方法です。カラーで撮っていたときとは、まったく違う見え方に写る写真は新鮮に見えるかもしれません。そんな小さい発見からモノクロフイルムの奥深さに入ってみてもいいのではないでしょうか。

モノクロ写真の傑作として紹介したいのが、アンセル・アダムスの作品です。アンセル・アダムス(1902-1984)は、アメリカの国立公園などを主にモノクロ写真で撮影した風景写真家。彼のオリジナルプリントを直に見ると、モノクロ写真なのに奥行きが広がる写真に見入ってしまいます。彼独自の撮影手法を編み出して撮影された写真は世界でも高く評価され、世界中の美術館でコレクションされているので目にする機会も多いです。

ご興味あればぜひ一度アンセル・アダムスの写真をご覧になってください。モノクロ写真の世界がまたひとつ広がるきっかけになるかもしれません。

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