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朝ドラ「エール」古関裕而作曲 大ヒット軍歌『露営の歌』

2020/10/17

2020年4月からスタートしたNHK朝ドラ「エール」は、作曲家の古関裕而の生涯をモチーフにしたストーリー。その古関裕而が作った軍歌のなかで最も知られているのが『露営の歌』だ。当時発売されたSPレコードで聞いてみた。

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奇跡の偶然で作られた『露営の歌』

※当サイトでの軍歌の取り扱いについては、こちらのページにて解説をしております。

『露営の歌』と曲名を聞いてもピンとこない方でも「勝ってくるぞと勇ましく」という歌詞を聞けば知っている人は多いはずだ。昭和の時代、バラエティー番組などで戦争を取り上げたシーンではこの曲がよく使われていたこともあり、昭和40年以降生まれの世代でも聞き馴染みのある軍歌と言ってもいいだろう。

上の写真は、「露営の歌」の当時発売されていた楽譜。力強さのある絵柄からまだ戦いに勢いがあった時期だったことがうかがえる。

版権印には、「裕而」の印が押されていた。苗字の古関ではなく名前の裕而の印が使われている点が興味深い。

この『露営の歌』は、日中戦争が勃発した直後に発表されて大ヒットした。この曲のヒットにより古関裕而は、戦争中に作曲した戦時歌謡曲は200曲を超えたという。古関が軍歌のヒットメーカーのなるきっかけの曲でもある。

この曲には有名なエピソードがある。中国から日本に向かう船に乗っていた古関にコロムビアレコードから急ぎの作曲の依頼があるから上京してほしいとの電報を受ける。日本に着き上京する途中の車中にて新聞に目をやると、当時募集していた軍歌の当選作品歌詞が掲載されていて古関の目に入った。そこに載っていた作品のひとつが後に『露営の歌』となる歌詞だったのだ。

その歌詞になぜか興味を覚えた古関は、車中でその歌詞に勝手に曲をつけてしまっていた。コロムビアレコードに着くと、まさにその歌詞に曲をつけてほしいと依頼されるや「この歌詞への曲ならもう出来ています」と車中で作った曲を提供したという。依頼主も古関もその偶然にはきっと驚いたのではないだろうか。まさに偶然の一致が重なって出来上がったヒット曲という裏話だ。

単調で物悲しさを感じる曲調は、露営で過ごす一兵の本当は悲しくつらい兵士生活での気持ちを消し去るために自ら鼓舞して立ち向かう様を感じさせる。ちなみに「露営」とは野外にテントなどを張って過ごすことを意味する。今一度、古関裕而の軍歌の代表曲を聞いてみよう。

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